まえおき
知人から『【業スー(業務スーパー)の焼き鳥がうまい・コスパ良い】と言われてるから炙ってみては?』と言われ、これはようするに人柱になれと言う事でしょうな。
よし、食べてみよう!って事で食べましたが、本当にみんなこれ食べてうまいコスパ良いっていってるの?1本80円くらいの焼き鳥ですら食べたことないのではないかな…。
これじゃない冷凍焼き鳥もいくつかあったので、これじゃないほうのを美味しいと言ってるのだと思いますが、今回は「加熱済みもも串50本入り」についてのレビューです。
業務スーパーの【加熱済みもも串50本入】
【名称】
冷凍 鶏もも串
【原材料名】
鶏もも肉:しょうゆ(小麦・大豆を含む)、タピオカでん粉、砂糖、食塩/ポリリン酸Na、炭酸Na、重曹、酸味料
【購入時価格】
1280円(※1280円÷50本=1本あたり25.6円)
【内容量】
1100g=1.1kg(※100gあたり116円)
1100g÷50本=1本あたり22g
【原産国】
中国
【輸入者】
神戸物産(業務スーパーやプレミアムカルビを経営)
【特徴】
- スチーム加熱処理した後に個別で冷凍してる為1本ずつ分離されており、解凍して焼くだけで食べる事ができる。
- 1本あたり約26円という価格で焼き鳥が食べられる。
- 味付けがされていない為、自由な味付けを楽しむことができる。
業務スーパーの冷凍焼き鳥を開封
この白さはスチーム処理をしてるためなのでしょうけれども、なんだかヘタな鶏ムネよりも白いのですが…。
串1本(焼き鳥1本)が小さくて短いので、炙りや2では厳しそうです。
それとかなり霜が降りていたので、炙りやでやる場合はそれなりに解凍をしてからの方が良さそうなので解凍します。
解凍方法は冷蔵庫で解凍せよと記載されていますが、私は40分程の自然解凍にしました。
拡大してみてみよう
1本あたりの串の短さも気になりますが、それよりも白い部分(脂の塊?)の多さと肉の少なさ(身の薄さ)が気になります。
『これ、コスパ悪くないか?』
まぁ…でも…まぁ、問題は味ですよね。
味さえ良ければコスパの敷居はグンと下がります。
iwataniの炙りや2で炙る
炙りや2などでの炙り焼きの利点は、無駄な水分や脂が落下していくから美味しくなることです。
しかし、この業務スーパーの焼き鳥(もも串50本入り)は身が少ない肉なので食べるところがどんどん減っていきますし、脂が異常に多すぎて煙がもくもくと上がりすぎています。
味の感想
鳥もも串という感じではありません。
タピオカでん粉でコーティングされているせいか、なんだかもちゃもちゃとした感触で、正直まったくうまくないというか、『ぶっちゃけマズイ』と答えるしかないですが、食べられない程でもないのが微妙なところですが…まぁ、2度と買いません。
なんとも「鶏くさい」のも難点です。
部位に関わらず焼き鳥や鶏肉が好きな筆者が鶏くさいと思うレベルですよ。
確かに脂そのものが多いのですけれども、鶏から出る肉汁とは全く異なる鶏から出た脂をもう1度固めたような脂なんですよね。
普通の焼き鳥ではこういう脂は出ないです。
タピオカでん粉でそのわけのわからん脂を固めて身の量をかさまししている感じです。
これを含めて1.1kg1280円では、コスパが良いとはどの角度から見ても言えませんよ。
焼き鳥のコスパというのは本数に対しての価格ではなくキロ数に対しての味と価格なのですが、多くの人が想定する1本というのはおそらく屋台やお店での1本あたりの価格に対してのコスパということでしょうけれども、しかし、この業務スーパーの冷凍焼き鳥と通常の焼き鳥はあまりにも別物ですので比較対象になりません。
『業スーの焼き鳥がすごい!お店で食べたら1本あたり180円はする焼き鳥がなんと!』みたいな煽りを見かけましたが、こんなもんに180円も出す人は居ないですし、そんな店は潰れます。
プライド捨てて生きるのは大事だけど、肩書を適当に作って嘘レビューすんなよ。コケーッ!
すいません、トリ乱しました。
この業務スーパーの焼き鳥串と1.1kg1280円の冷凍鳥モモ肉なら、少しの手間程度で作れる後者の方が圧倒的に美味しいので、そちらがオススメです。
ちなみに、自家製鶏もも串の右側の細い2本はトリカワ(鳥皮)です。
鶏モモ肉を購入した場合は、鶏もも肉1枚あたりに対して1本のトリカワ串も作れちゃいます。
さて、文句はほどほどにして、せっかく『うまい!安い!最高!』とネットで評判の業スーの冷凍焼き鳥を買ったのだから絶対に美味しい食べ方で食べたいところです。
他の人と比べて私の味覚がおかしいとしても、私が『うまい!安い!最高!』と思えればそれでよいのですが、しかし、これ、どうしてもおいしくないです。
どうしたらおいしく食べれるのか?
業スーの冷凍鶏もも串をおいしく食べる方法
業務スーパーの冷凍鶏もも串(50本入り)は、1度焼いた程度では”もにょもにょ”しておいしくないので、素の状態で炙り焼きをしてからタレ壺に漬けて皿に置いておき、食べる直前に、カリカリになるまで炙ると、それなりに食べれるようにはなりました。
具体的な手順はこうです。
- 多少焦げがつく程度に炙る
- タレ壺に漬ける
- 別の皿に移す
- 1.2を繰り返す
- 3のタレ焼きを再度炙る
炙りやきの際の注意点
別途、L字アングルや焼き台があると便利です。
網に直置きで炙る方法もあるにはあるのですが、全体的にコーティングされているタピオカ混じりの脂のせいで脂が網にこびりついて串からはがれおちて身ごと落下するので、やめたほうがいいです。
とにかく脂がすごいので、炙りや2の後処理も大変です。
ちなみに、50本をカリカリに炙るとガスボンベを2本消費しますので、燃費がよくありません。
さらに、焼き上がりがとても小さくなるので1本あたりの量がとても少なく、食べるとすぐになくなってしまうので満足感も薄いです。
これらの事から、コスパが良いとは思えません。
じゃあオーブンレンジならどうだ?と考えはしたのですが、焼いてる時に出た脂を排出できる構造なら良いのですが、鉄板の上でただ焼くだけならオススメできません。
オーブンレンジ対応の網などを使用して、油が下に落ちていくようにするならアリかもしれません。その際は、事前に網を熱しておくことでこびりつきをある程度予防できます。
これ、意外と知らない人が多いようで、魚でもなんでも網を使って焼く場合はそのように使います。
業務スーパーの冷凍焼き鳥のまとめ
『これが100本なら安いけど、50本だから高い』
- 一本あたりの量が少ない
- 串が短いので焼きにくい
- コスパは全然よくない
- 脂ばっかりでうまくない
- 串に刺す手間が要らないのは良い
- 寄せ集めのような身の少なさが最悪
確かに、業務スーパーの利点は【圧倒的なコスパ】ですが、しかし、コスパと言うのは近年では【ただ安いだけの物】や【お得感がありそうな物】をさすことが多くなってしまったのかもしれませんね。
実際に、焼き鳥50本が1300円で買える!と聞けばコスパが良いように聞こえますが、それは実際に1本あたり100円で売ってる焼き鳥を50本1300円で買えるならの話です。
通常の焼き鳥は1本あたりが35gほどですので、この商品を普通の焼き鳥として考えたら1100g÷35g=約31本程度です。
約1000g (モモ肉4枚)を1枚350円で購入したら1400円程で価格が同じくらいなのですが、身の詰まり方が全然違います。
『加熱済みもも串50本入(冷凍焼き鳥)』の場合は、タピオカでコーティングされた鳥肉の破片なので、肉質などの価値を含めたグラム単価は通常のモモ肉の半額程度です。
これらの事から、1kg1000円程の外国産の鶏肉を100均の串に刺したとしても、自分で串に刺して焼いた方が安くてうまくて早いと言い切れます。
そもそも焼き鳥におけるコスパとは【本数じゃなくてグラム数と作業効率とうまさ】ですので、タピオカでコーティングされた鶏肉の破片を1000円出して買ってガスボンベを2本も使うのは私には無駄に思えますから、全くもってオススメはできません。
文化祭で業務スーパーの焼き鳥を売るなら
例えば、文化祭や自治会などでこの焼き鳥串を使用して販売をしようと考えているのであれば、2本50円が妥当ですので赤字です。
まぁあんまりまともに焼き鳥を食べた事がない人なら「こんなもんだろ」って感じで食べれますが、少しでも美味しくするためにカリカリにすると手間とコストがかかるので、オススメはしません。
私なら「タピオカ風とりもも串」という名前でカリカリにせずにタピオカ感を残してヤキトリとは別に売りますね。
それなら面白いですし、そういう物だと認識してもらったうえで買ってもらえるなら1本50円程でも良いかなぁ?と思いますが、まぁ、こんな感じでしょうもない商売を覚えるだけですので、素直に鶏肉を買ってきてちょこっとだけ苦労して切って串に刺して正当な対価を頂いた方が、良い経験になりますよ。
おやつならまぁ良し。
これをガチのヤキトリ好きに与えると嫌がられますが、おやつ感覚なら良いです。
実際、甥っ子や妹にカリカリに焼いた焼き鳥を渡したら、甥っ子はうまいうまいと食べていました。
しかし、カリカリにするまで時間がかかる上に、タレを舐めているだけの状態になりますし、なによりも普通の焼き鳥と比べると、お肉よりも脂やでんぷん質が多いのでヘルシーではないです。
【追記】業務スーパーの焼き鳥は危険?
どうも最近【業務スーパー 焼き鳥 危険】と検索してくる方が多くなってきていますが、私が実際に食べた時に危険だなぁと思った場面は確かにありました。
それは、タピオカでコーティングされているために網にこびりついてしまい、その時に脂に引火して炎が上がった時ですね。
また、タレを絡めた上でかなりカリカリにしないと美味しくないので、タレが焦げ付く事も多いため、焦げによる発がん性物質などを気にする方が多いのは頷けます。
しかし、焦げたものを食べるとがんになるという科学的根拠はありません。
確かに、人が1日数キログラム以上の焦げた物質を摂取するとがん細胞が発生することは実験的にわかっているとの事ですが、1日に数キログラムの焦げを食べると言うのは現実的ではないので、焦げによる危険というのは無さそうです。
一番に考えられる”危険性”ならば、BBQなどでこの商品を持ってきてそこに”筆者のようなヤキトリ好き”が居たら場の空気が微妙になってしまうなどでしょう。
肉の質に関しては、現代では中国産も悪いモノではない事が多いので、筆者は産地をあまり気にしていませんが、中国産鳥モモ肉で116円/100gはちょっと高いです。
産地を気にする場合の100gあたりの相場としては、南米産でだいたい90~120円程で、国産なら130~200円等ですが、いずれも業務スーパーで購入できますよ。
本当の意味で危険を感じるとすれば、これを安いうまい最高!と言って紹介する人の存在や、私のように文句を垂れる人間の存在が危険だと感じます。
業務スーパーで買うべき商品はコレ
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