まえおき
梅雨などの雨季は頻繁に雨が降って嫌ですね。
10代の頃は『俺、雨好きなんだよね…ふっ』とか独り言ちながら、傘もささずにかっこつけてましたが、もうここ数年は雨がめんどくさいったらないです。
私は頭痛持ちなので、雨が降る前の気圧にやられるし…。
さて、この記事では屋外のメダカ飼育で困るオーバーフロー(溢水)…ではなく、雨が水槽に入る事そのものが困ることについて、つまり、雨が水槽に入るデメリットや実際にビニール温室を使用してみて気づいたことについてを記述します。
まずは雨が水槽に入るデメリットについて
飼育している地域または住んでいる地域にもよりますが、雨水とは雲から地面、または水面に落ちるまでに大気中の塵や埃、排気ガス等によって汚れていきます。
その際に、二酸化硫黄や窒素酸化物などの酸性物質が雨に溶け込むと酸性雨になりますが、酸性雨とはその名の通りに酸性ですから、中性またはアルカリ性の水質であっても、量によっては酸性に傾きます。
大雨が降れば急激にPHが変わってしまいます。
あるいは、例えば、埼玉県では2020年に黒い雨が降りました。
現在、市内より「黒い雨が降っている」「道路が真っ黒」「車が真っ黒」との通報が相次いでおります。
情報によると、蓮田市だけでなく、近隣の市町でも同様の事象が起こっており、いたずらの類ではないということが判っております。
原因は定かでは無いものの、この雨の数時間前に千葉県野田市の廃プラスチック工場で大規模火災が発生したようで、その時に発生した黒煙・煤(すす)が雨と混ざってしまったらしいとの見解のようです。
実際のところは、調査結果のデータが無いので黒い雨の詳細はわかりませんが、いずれにしてもよくわからない物質が水槽に入っては困りますよね。
このように、雨が水槽に入ってしまう事は、デメリットが多いと言えます。
水質の変化防止にはオーバーフローの意味はない
オーバーフローは溢水予防、つまり、雨などによってあらぬところから溢れる事を事前に防止することに対しては強力です。
溢水を予防することはメダカなどの生体を外に飛び出させないためですが、しかし、メダカはジャンプ力が高いので、飛び出しはどうしても起こってしまいがちです。
なによりも、結局のところオーバーフロー装置というのは、外部から侵入した水が一定の水位に達した場合に定められた場所から定められた場所へと排水させているだけですので、水質や水温の急激な変化というのはどうしても防げません。
そもそも、水槽の掃除の際に通常の換水では1/3程などと気を使う事が多いのに、大量の雨水の侵入を許してしまえば全換水になってしまうこともありえます。
これらの事から、根本的な雨対策としてはオーバーフロー自体には意味がありません。
あくまでもオーバーフローの利点と呼べるのは水替えの便利さと溢水予防、濾過層への接続に限ります。
特に、浮遊型の残餌や油膜の処分、水面に浮かんだ不要物(花粉や枯れ葉など)には効果的です。
定水位さえ守れればいいんだ!という方の場合は、水槽のフチに雑巾やタオルを掛けておくと、毛細管現象を利用したサイフォンの原理で簡易オーバーフロー装置を作れます*1が、しかし、溢水対策よりもそもそもの防水を行った方が明らかに効果的です。
また、オーバーフロー用の穴を作る場合の注意点ですが、水が外に出る力(穴が吸い込む力)が強いため、排水と同時に生体が吸い込まれる確率も高まりますので防護柵などが必要です。
これらの事から、筆者としては簡易的な屋根の使用をオススメしています。
ビニール温室について
さて、ビニール温室についてですが、そもそも、ビニール温室とは、ビニールや木枠などで作られた小型から大型までの温室で、植物を寒さや雨風から守るものです。
では、ビニール温室には、どんな効果やメリットがあるのでしょうか?
また、どんな注意点があるのでしょうか?
ビニール温室の効果とメリット
ビニール温室の最大の効果は、保温効果です。
ビニール温室を使うと、外の冷気を”ある程度”遮断することができ、暖かな空気を内部にとどめておくことができます。
これにより、冬場でも”それなりに”メダカを育てることができます。
”それなりに”の理由としては、あくまでもビニール1枚程度の断冷効果しかないからです。冬季にそのまま外に出すよりは良いですが、あくまでもそれだけの事です。
しかし、雨風に晒される心配がない事は大きなアドバンテージとなります。
冷たい風や雨が水面を叩く事がないので、穏やかな時間が流れているはずです。
ビニール温室のメリットは、その手軽さです。
大きな農業用のビニールハウスがやっぱり最強ですが、設置できるスペースがない人も、小型のラインナップが充実しているビニール温室であれば設置できる可能性があります。
特に室内やベランダなどの小スペースにはビニール温室がだんぜん有利です。
農業用のビニールハウスほどではないけれども、大人が数歩ほど歩けるほどには大型のビニール温室もあります。
また、ビニール温室はガラス製の温室や農業用ビニールハウスなどに比べ、価格が圧倒的に安価なのが大きなメリットで、1台数千円から購入できます。
ビニール温室の注意点
ビニール温室の注意点としては、効果を過大評価しすぎてはいけないという点です。
ビニール温室を用いることで保温効果を得られるのは間違い無いですが、日があまり当たらない時間が長いと温度変化は緩やかなものの、内部の温度は外気気温はほぼ同じになってしまいます。
メダカの飼育をする場合は、適度に空気の入れ替えをしないと結露だらけになり、放置すればカビが生えたりするので気をつけましょう。
特に、朝方などはだいたい結露がすごいことになっていますので、毎日の確認が必要です。
また、開閉窓を閉めっぱなしにしていると、天気の良い時間帯は水温が熱くなりすぎてしまうこともあります。
暑い日は特に要注意
日光が長時間当たりすぎる場合は、内部の温度が想像以上に高温となることもありますが、しかし、湿度の調整も難しいというデメリットもあります。
温度調節が難しいとはいえ、雨風から大切なメダカを守ってくれるありがたさは痛感する場面が多かったです。
晴れる日は午前中に開口しておいて冷え込む前に窓を閉めたり、夏はすだれをかけて直射日光を遮断するなど、工夫が必要となります。
ですので、1年を通して使うためには、ビニール温室の設置する位置を適切に決める必要があります。
武田コーポレーション ビニール温室棚 2段 | |
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ヨドバシ | |
この記事で使用しているのケーヨーD2の物ですが、現在は廃盤となっておりますが、武田コーポレーションのこちらのビニール温室は、同等かそれ以上の物と見受けられます。 |
ビニール温室を製作した動画
動画の補足
- 動画で使用している商品は、中古ショップで購入したD2ブランドのビニールハウスですが、この商品が現在販売されているのか確認ができません。とはいえ、おおむね似たような構造の商品が多いです。
- 棚型ですが、棚を留めるのは4本のボルトのみですので、NVBOX#13を2台を上部に設置するはやや不安があり、ダイソーのグレーBOXを2台設置しています。
- ロール状の開口窓はエサやりに邪魔なので、更に上部の棚にS字フックを付け、S字フックに縛って留めています。
まとめ
ビニール温室を上手に使用する事ができれば、良き相棒となってくれます。
- オーバーフロー構造は溢水防止につかえるが、水温水質の管理には不要
- 雨が入らないようにする事でより安全に水棲生物(メダカなど)を屋外飼育できる
- ビニール温室は便利だけれど注意も必要(高温対策/湿気対策/etc)
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