まえおき
セカンドライフは2003年に発表され、2006年ごろから話題になり、2010年にピークを迎えたLindenLab社が運営するSecondLife(セカンドライフ)ですが、2023年には20年目になりました。
メタバース関連の話題があがるとセカンドライフのつまらなさと過疎っぷりを伝える【メタバースの失敗】=【セカンドライフの失敗】というキーワードの記事も同時に現れるのですが、その多くはそれなりに調べてはいるけども、セカンドライフの事を何もしらない人が書いている事が問題として挙げられ、一部セカンドライフユーザー達から猛烈に反論されたりするなどプチ炎上が起こりがちです。
例えば、PSO2やDQX、FF14、フォートナイトなどの様々な長く続いている有名オンラインタイトルをエアプ*1野郎がつまらないと断言すれば、それらのプレイヤーから反感を買って当然ですよね。
この記事では、SLにチョイかじりどころかSLのアイテムクリエイターとしてドップリと漬かりきった2007年からのプレイヤーである私が、セカンドライフのつまらなさ・失敗の理由・続いている理由を15000文字程度で解説します。
この記事によって、そのような記事を書くメディアやライターが減る事と、そのような記事に飛びついて怒りのリプを送り付けるSL民が減る事を願っています。
なお、私はセカンドライフ以外のメタバースには一切の関心を持てなかったので、それらはエアプどころかなんの情報も持っていませんし、名前すら知りません。加えて、調べて書く気もありません。フォトショップとイラストレーターくらいの別物だと思っています。
この記事は私が体験した商人としてのセカンドライフ、ユーザーとしてのセカンドライフをまとめます。お時間のある人は一読の程よろしくお願いします。
なお、目次は通常記事の上の方に置くべきとは承知の上で、わざと1番下に置いています。目次だけ読んで知った気になられては元も子もないと判断したためです。
Second Life(セカンドライフ)が失敗した理由
結論を先に言うと、セカンドライフが失敗したのではなく、セカンドライフで失敗した企業とセカンドライフに失敗した人が居るだけです。
主に失敗の理由とされている事は以下です。
- PCスペックが高くないとできない
┗そうでもない(当時9800GT・現在GTX960で動作する) - 操作性が悪い
┗そうでもない(どのゲームでも慣れるまで同じ) - 仮想通貨への換金が難しい
┗そうでもない(デビットカードにも対応している) - 目的がよくわからない
┗そのうちわかればいい
セカンドライフに関するメディアやライターが発信する記事は、その多くが古い記事を参考にして、あるいは、同様のライターの文章をコピペしているものばかりですし、そもそも未経験者の意見なんてはっきり言って読むだけ無駄です。
どのようなゲームでもサービスでも、記事を書く人が実際に体験して記事にしないと、時間を費やして読んでくれている読者にも失礼です。
ちなみにこの記事は、2007年から商人兼クリエーター兼ユーザーとしてセカンドライフを満喫している筆者が2023年6月と同年12月に加筆と誤字の訂正をした情報です。
この記事ではセカンドライフの面白さを伝えつつも、彼らが言う『セカンドライフの失敗の理由』を掘り下げていきます。
運営ではなく代理店がコケた(自爆した)
そもそもSecondLife自体はリンデンラボ社が運営するネットサービスで、個人でも企業でも、どのような形態であれ運営元以外は全て同列のユーザーです。
大手代理店への特別割引みたいな太客へのヒイキはある(あるいはあった)ようですが、いずれにしてもセカンドライフで土地を所有する人は運営元に決まった額の使用料を支払います。
なお、アカウント等は無料で作成できますし無課金でもどうにでもなります。
各メディアによって2006年頃からセカンドライフは儲かる、セカンドライフで儲けようと喧伝されるようになりましたが、実体としてはいまいちよくわからない状態でした。ただただ儲かると言う根拠の乏しい情報のみが躍っている状態で、具体的な事はほぼ書かれておらず、そもそも操作どころかアカウントの作り方すらもよくわからない状態でしたので、そこに目を付けた企業や個人が代理店として又貸しや換金業(RMT)を始めました。その時点では大成功した人が多いのも事実です。
セカンドライフで、ユーザーが何かを行おうと思った場合に最低限必要なのは土地(サーバー)ですが、その土地の最低利用料金はリンデンラボ社に定められています。
価格は公式ページに記載されているにも拘わらず、彼ら代理店はその価格の数倍以上の月額をふっかけていました(ようするにぼったくりです)。
メリットが少ない割に価格が高い事を理解してるプレイヤーはドン引きしていましたが、それでも企業の参加とユーザー数は日々増えていきました。
いわゆる、メディアに踊らされている状態です。
しかし、売り上げや人口がピークに達した2011年ごろから次第に各代理店は継続への意欲を急速に失い、管理を怠っていき、やがて消滅していきました。晩年は完全に管理を放棄している状態でしたので、リンデンラボ(運営)への土地の支払いを怠ってなんの前触れもなく突然消滅するSIM(広大な土地)で、借地契約(レンタル)をしていた人たちも絶望し、大量に日本人ユーザーが減って行きました。
その後から今日まで、セカンドライフ=失敗というワードが踊り続けています。
ですが、2012年ころには『ってかそもそも代理店なんていらなくね?』と気づいた個人個人が各々好き勝手に楽しみを見出し、それが2023年現在まで続いています。
セカンドライフで成功を掴む広報としての運用方法
じゃあこれから参入しようと思っている企業が広報として使うには?
現代での運用は、決して難しい事ではないので自社でやるのが高コスパです。
まず、毎月209ドルの維持費(土地代)と、土地の管理人が必要です。
管理人はツイッターやインスタグラムと同様に、3Dによる仮想空間で住民と触れ合うことができるし、状況をツイートする事もできます。また、その空間の中で自社製の商品を売ったり配ったりする事で、世界中のセカンドライフ民が集まり拡散されますので、社名と商品を知らせる事ができます。もちろん常時管理する必要もなく、無人でも問題はありません。
アイテムの製作は実績のある日本人クリエイターに任せる事をオススメします。
数十万円なんて多額の費用を支払わずとも、数千円程度の激安価格で3Dデータの製作からユーザーへの譲渡までやってくれる場合が多いので、良い商品を探しだし、メールのようにIM(ダイレクトメッセージ)を送り付ければ快諾してくれる方も多いですよ。
あるいは、公認アイテムを作りたいと考えるクリエイターも多いのですが著作権の問題がありますので、商品を3D化してセカンドライフ内でのみ販売する権利そのものを貸与するなど、方法も様々です。
無料でアイテムを配布するとなれば、日本人のみならず世界中の人が多く群がってきますので、世界に目を向けた発信をしたいならオススメです。
いずれにしても、セカンドライフでのクリエイターは、それぞれの得意分野で活躍しているものの、その多くがセカンドライフでのアイテムを趣味的に作っている個人作家ですので、税金関係にはかなり疎い事も多いため、報酬に関しては経費とかめんどくさい事よりも、現地通貨=リンデンドル(仮想通貨)での支払いが好ましいです。
しかし、作家の多くはクセの強い人材が多いので要注意です。企業人事レベルの見抜く目と勘に従ってください。オススメの人材は半隠居状態の私ですが、このブログを読んでいただければわかるように、私もクセが強いです。
とは言え、セカンドライフを盛り上げる為の御相談ならいつでも受けますので、お問い合わせしてください。内容によっては1円も要りません。私は手続き的な面倒くささよりも面白さやユーザーの楽しみが増える方法を優先します。
なお、モノツクリに定評があってクセが強すぎないクリエーターを紹介する事もできます。
ちなみに、セカンドライフでは、実際のアイテムの紹介や、実際のサービスの紹介だけにとどまらず、サイトへの直接の誘導も可能ですし、PCからスマホで見てもらうためのQRコードを読み込ませたりなども可能です。
それらは、セカンドライフ内にオブジェクトが存在する限り永久に宣伝効果を持つことになります。
例えば、ウラカタ社のオレンジジュースという缶飲料が現実にあったとして、それを3Dモデルで再現し、テクスチャー内にQRコードや宣伝語句をきっちり描き込んで配布すれば、それを得た人が展示をするかもしれませんし、常に持ち歩くかもしれません。
そのような事が各種メタバースで期待されている事なのかもしれませんが、日産(北米)が『セントラ』と『アルティマ』をクルマの自動販売機で配るというインパクトのある広報としてセカンドライフで配ったように、また、アトラスがプリント倶楽部®をセカンドライフ内で再現してユーザーを楽しませてくれたように、そのような使い方も当然できるのです。
ちなみに私は以下のような系統が得意です。
参考①Second Life Marketplace - MARUSHIN
参考②Second Life Marketplace - CSM
著作権違法者も多い
セカンドライフの闇ともいえるのは、著作権を無視したアイテムの多さです。
現実を模倣するあまりロゴなどが無断使用されている事も多いのですが、これらの取り締まりは特にされておらず、そのような製作物で生計を立てている人も居ます。
この点は問題視され、異議を唱える人も増えてきています。
また、MMD(ミクミクダンス)用に製作された物や、海外の3Dモデルの二次配布(販売)を勝手に行っている人もおり、元の製作者が誰かわからない状態になっている物も多く、それらの製作者には何も還元されていません。
いずれにしても、製作者自らが『時間をかけて一生懸命製作した』などと言い切っている為、真相を把握する事が難しいのが問題です。
しかし、本当の製作者が裁判を起こす可能性もあります。
これらに関して私が感じた大きな問題点としては、時間をかけて苦悩して製作してる人たちが『あまりにもバカバカしい、やる気をなくした』と辞めて行ってしまった事と、時間をかけずに他人のアイテムを売り続ける人が残っている事が大きな問題点だと感じますし、何よりも独自性の高い製作物や創作者の損失こそがセカンドライフの失敗と言えます。
製作者が居ないと成り立たない世界ですが、それはユーザー間の優劣などではなく、全世界のユーザー達が様々なアイテムを製作し、環境を作り上げる事で成り立つ世界だからです。
セカンドライフはそもそも失敗していない
結論から言えば、失敗したのはセカンドライフ(リンデンラボ社)ではなくて企業や代理店を含めたユーザー、つまり、失敗したその人です。
あくまでも失敗したというテーマでの話ですが、その多くは、他人を利用しようとたくらんだものの、思ったようにうまくいかずに辞めて行っただけで、要は自爆していったにすぎません。
なんらかの都合や理由で辞めて行った人は失敗でもなんでもなく、本を読み終えた状態に近いのでむしろ成功とも言えます。読み終えた本をまた読みたいと思うなら、その人はその本をまた読むでしょう。
広報としての運用なのだから話題の1つになれば成功だと考えるのであれば、先述のように、『昔日産がセカンドライフで車を配っていた』と2007年当時から時を経た2023年現在でも話題にされるようならば、やはり成功ではないでしょうか?
じゃあなぜ【セカンドライフ 失敗】【セカンドライフ 過疎】という記事が多いのかと言うと、ようするに、単に記事のSEO対策やネタであって、なんらかの利益の為です。
例えば「●●がヤバイ3つの理由」など、様々な場面で見かける事が多いですよね?
「有名な名称+ネガティブワード*2+数字」を記事タイトルにすると読まれやすい傾向にある為です。
私も雑記ブロガーの端くれですので、自身の体験を元にしたアクセス数の稼ぎ方を考察した記事があるので、気になる方は参照してください。
ネガティブワードで記事を書く人が多いのはわかって頂けたとして、ではなぜ、【セカンドライフ 失敗】というキーワードで検索する人が多いのでしょうか?
それは、セカンドライフが失敗しててほしいと願う人の数とも言えますが、メタバースや仮想空間の代表古参=セカンドライフで、確かに無責任な代理店のせいで失敗した企業も多いのは事実ですが、実体をわかっていない人の記事だけをうのみにした人々によって【セカンドライフ=失敗】という言葉だけが独り歩きしてる状態に過ぎません。
セカンドライフの現実としては、サービスが継続されているばかりか、ソフトも頻繁に更新されているし、モバイル化への対応などの新しい試みが毎年発表されていますので、どの角度から見ても失敗とは言えません。
なによりも、提示された物を購入するだけのシステムではなく、サービスそのものを自ら考えて販売することもできるのは大きな特徴ですし、それによりユーザーの自由度が更に高まるため、個性的な空間が常にユーザー達によって刷新され続けています。
オブジェクトの販売だけではなく、水商売のようにスナックの経営も出来るし、エイベックスさんが浜崎あゆみさんのコンサートを行ったように、仮想空間上でのコンサートの開催もできます。現実の金銭への換金も含め、自由度は限りなく高いのです。
セカンドライフの運営元の経営面に関しては、買収・買収・買収と続いてきて、その都度ユーザーが仮想通貨への売買や換金に関する手数料も上がってしまったのですが、サービスの終了をするつもりはないようです。
但し、セカンドライフ2-Project SANSAR-は失敗したようで、β版からずっと実体がわからず、全く話題にも上らないまま、売却されたようです。とは言え、存続はしているようなので失敗とは言えないのかもしれません。
この件について私が言う『失敗』とは、セカンドライフ2としてセカンドライフからユーザーを移住させてナンバリングタイトルにしようとしたが、全くどうにもならなかった=思惑違いによる失敗です。
VR化やシームレスサーバー化など、新たな試みが発表されていたのですが、発表の段階から『今のままでよくね?』と、私含めユーザーの多くは考えていましたし、実際に移動していません。存在している以上、今後、発展する可能性はあると思います。
しかし、セカンドライフのVR化に関しては、そもそもセカンドライフプレイヤーは自分のアバターに愛着があり、頻繁にアバターの着替えをする事が多い上に、人と話している場合であっても常にカメラを自分に合わせて自分のアバターを見ている人が多いので、自分のアバターが見えないVRを求める人は少ないように思います。
だからといってVRがつまらないというわけではありませんが、作り込んだ容姿や体形・ファッションや持ち物を人に見せたいのか自分が見たいのか、人のを見たいのかというのがポイントになってきますよね。
いずれにしても、FPS(一人称視点)・TPS(三人称目線)、どちらも可能な方が良いに決まっているし、自己投影・没入感という点では、視覚的問題ではなくて、プレイヤーの思い込み次第だと感じます。
なお、セカンドライフはFPS/TPSのどちらにも対応しています。
カメラ機能により、ドローンのように遠くまでカメラを「飛ばす」事も出来ますし逆に接近することもできますし、あるいは、一眼レフカメラのようにピントを合わせて背景をぼかす事も出来ます。
セカンドライフのつまらなさ
私がセカンドライフを実際にプレイしていて『つまらないな』と感じる瞬間はありました。
「対人関係がめんどくさい」
セカンドライフのつまらなさはユーザー間で起こるいざこざです。それぞれがそれぞれの目的でセカンドライフをプレイしていますので、多少なりとも他人の意見とぶつかり合うのは仕方ないのですが、とりわけネット特有の陰湿さを感じました。
但しこれは、別のオンラインゲームでもSNSであっても同じです。
要するに、プレイヤーにとって嫌なヤツ(価値観の合わない人)が存在している事が、プレイヤーにとってのセカンドライフをつまらなくさせてしまいます。これの対処法は、嫌だなと思ったら我慢せずに縁を切る事も必要で、それは現実より少し簡単です。
我慢したくない、どうしても関わりたくないと感じる相手はブロックすればよいです。
とは言え、気の合う人とだけ楽しめればよいのですが、どうしても狭い世界なので、友人の友人は【険悪な関係になってしまった人】であるなんて状態になってしまいますから、時には我慢する事も必要です。
【険悪な関係になってしまった人】がありもしないことを吹聴するなど、めんどくさいの極致地獄に陥るなど、オンラインゲームやSNSあるあるではありますが、ほぼ現実に等しい世界なのに匿名である事と人口が少ない事、それらが作用してつまらなさを感じる事になってしまうケースが多いです。
「お金が儲からない」
また、商人として活躍をしたいと思っても、急にはなかなか売れません。
認知してもらえるまでに時間がかかりますし、商品数が少ないと目立てません。
まして、長い年月を商人として過ごしてる人も多いので、太刀打ちするには相応の努力が必要ですし、かといって努力に見合う程の大きな利益にはなりません。
幸い、私は長い年月をかけて作って来た1つ1つのアイテムへの情熱を評価していただき、それなりの知名度を誇るようにはなったのですが、それでも収益としては微妙でした。
それは、私自身のコミュニケーション能力が低い事や販売物のクオリティの低さ、そして価格が安い事も要因の1つですので、全てのクリエーターやサービス提供者に当てはまるわけではありません。
「何をしたらいいかわからない」
これがセカンドライフの失敗について頻繁に言われる部分ですが、目的を持たずに始めたら、何をしたらいいのかわからないのは当然です。
例えば、『Midjourney*3を使ってみたいからDiscord*4を始めた!』や『友人と画面共有してボイチャしたいからDiscordを始めた!』というのは明確な目的があって始めているのですが、一方で『Discordを始めたけど何をしたらいいかわからない』って人がいるのも、同じようなものですし、もっと簡単に言えば『40年間気づいていなかったようですが、実はあなたは40年前からインターネットが出来る状態なんです!』と言われてるようなものです。
『ま、いっか、必要ないし』と思う人も居れば『ええ!早く言ってよ!』と思うのかは人によるでしょうけれども『で、何ができるの?』と続くでしょうね。
たとえ話が下手ですいません。
しかし、その状況とほぼ同じで、セカンドライフやVR・メタバース・SNSなどのコミュニケーションツールは、RPGやSLGのように、魔王を倒せ!町を発展させろ!などの明確な目標を提示させられて開始するのではなく、自らが自らの為に明確な目標を立ててそこに向かっていく、あるいは仮想空間での生活を模倣するためのシミュレーターだったり、単純に会話や会議をするツールでもありますが、とりわけ、セカンドライフでは収益化を含め、仮想現実と呼ばれるほどに多くの自由(ユーザー任せともいう)があるので、セカンドライフを使うとどういう事が出来るのかを探りながら、こういう事をしてみたい!と考えれるようになるので、それでいいのです。
現在、プレイしているユーザーも開始当初は、ほぼ全員が『何したらいいの?』と感じながらも、なんやかんやそれぞれの道を見つけて自分なりに楽しんでいます。
いずれにしても、これらの事から挫折する人が多いのは事実です。
セカンドライフを楽しむには?
人によって、何を楽しいと思うかによって答えは変わりますが、セカンドライフを楽しめない人は、楽しむ為の想像力と創造力が足りてない事が多い場合があります。
稚拙ながらセカンドライフで何ができるか?をまとめます。
- 自分で目的や目標を作り、至れる事。
- 世界中の人と関われる事
- 作品を発表し、販売できる事
- 箱庭やジオラマのように空間を作れる事
- 着せ替え人形のようにアバターを作れる事
- 土地を転売して利益を得られる事
- コンサートを開催して収益を得られる事
- ユーザーが作った様々な景色を探検できる事
セカンドライフのゲーム内容は、プレイする人によって様々ですが、概ねどのような目的であっても大抵の事が出来ます。
例えば『友達を作りたい』という目的と目標ならば【友達になれそうな人を探す】と言うテーマで活動すればよいですし、『自分の王国を作りたい』と思うならば【土地を所有して人を集める】といった活動を行うこともできます。
いずれにしても『自分は1人ではない』と思える場面がありますし、その共感性はきっと楽しいものです。但し、何度も言いますが、人によります。
私の場合ですと、多くの人を喜ばせたいと言う気持ちが強いのと、ソロぼっちプレイヤーにも楽しんでもらいたいという気持ちから、ひとりでも複数人でも楽しめるアイテムを製作販売し、それらの評価やそれに伴う対価を得る事や、実際にそれらを使用して楽しんでいる人のスナップショットやツイートを見る事が楽しみの1つです。
私は、仮想空間での人づきあいの距離感などがよくわからないし煩わしく感じるので、1年の間に多くも10人に満たず、会話の合計時間も20時間~40時間ほどと人と関わる事が極端に少ないのですが、人との会話は少なくとも、私の製作物によって人とのつながりを感じる事が多くあり、嬉しく感じています。特殊なケースだと自分でも理解しています。
このブログも同じで、私はオンライン上で人と関わる事がやっぱり苦手なのですが、私の書いた記事によって人とのつながりを感じる事があり、それを嬉しく思っています。
セカンドライフの現状
セカンドライフの現状は誰にもわかりません。
と言うのも、人それぞれのセカンドライフがあるからです。
ツイッターで【SL】や【SecondLife】と検索すると、今現在を楽しむ人々の投稿を見る事ができますので、最新情報はそちらから得られますが、それもその人の投稿時の情報でしかありませんし、あくまでもその人の楽しみ方ですから、結局のところは自分がプレイしてみる事でしか現状はわかりません。
ソフト的には2007年~2012年の頃とは比較にならない程に、グラフィックなどが良くなっていますが、たかがそれだけの事です。
どうみても3Dにしか見えないほどのビジュアルだったスーパーファミコンのスーパードンキーコングがドット絵であったように、セカンドライフ内でも描き込みの量がえげつないクリエーターが居まして、いわゆるオーパーツみたいな状態は度々見受けられました。
現在では、GPUの発展に伴ってソフトまたはハード的にグラフィックが良くなっているという印象ですし、好んで当時のアバターを使用する人も居ます。
今回の記事で私が伝えられるSecondLifeの現状は、以下の7点になります。
- 20年続いてるコンテンツである
- 仮想通貨からドルに換金が出来る
- 間にペイパルをかますことでドルから円に換金ができる
- 月数十万円を稼いでいる人が実在している
- 日本人は少なくとも200人以上いる
- 主要国はアメリカとフランス
- R18コンテンツが大量にある
日本人は少なくとも200人以上いるというのは、私が実際に会話を行った日本人アカウントの数であり、このような記事の手前、ざっくり何千人くらいいるとは言えないので、最低限の数ですが、私が伝えられる最も正確なデータです。
コミュニティ能力が高い人であれば、もっと多い数字を人に言えるのだと思います。
なお、私がセカンドライフ専用に使用しているTwitterアカウント(鍵付)のフォロワーさんは800人程なのですか、当然Twitterを使用していないセカンドライフユーザーも多いので、日本人プレイヤーは1000人以上いるとも考えられます。
セカンドライフをプレイする目的として多いのは、営利目的の人・のんびりしたい人・目立ちたい人・他人の悪口をひたすら言いたい人・着せ替えを楽しみたい人・R18コンテンツでハッスルしたい人・疑似恋愛を楽しみたい人、などです。
なお、リンデンラボ社は2023年後半にiOS/Androidのモバイル版SecondLifeのベータ版をリリースする予定との事ですので、更に多くの目的を持つ人が一時的に流入すると思います。
Second Life's Lab Gab with Grumpity, Patch, and Mojo! - 2023 Roadmap - YouTube
なぜ私が一時的にしか人が増えないと考えるのか?
それは、継続するメリットを見出せる人が少ないからです。
多くの人は自由を与えられても目的を定める事が出来ないので、それはどのようなメタバースであってもSNSであっても、ブログであっても同じことですよね。
ある種の不自由さがないと、自由を見いだせない事は現実にも多いです。
セカンドライフを起動するためのPCスペック
取りざたされるセカンドライフ=失敗の原因の1つとして、ハイスペックPCが必要だったからと言われていますが、2003年~2006年の事は私にはわかりませんが、2007年当時はグラフィックボード自体の認知が少なく、搭載されている機種も多くはなかったので、起動すらも困難だったのは確かです。
実際、私も家電量販店で買った安いPCでプレイしたところ、数週間ほどでブルースクリーンが発生してPCが壊れたのですが『当たり前だ!』と言われてショックを受けた事を覚えています。そこで初めてグラフィックボードという存在を知りました。
2010年時点でもGeForce 9800 GTでセカンドライフがプレイできていました。
この事から、単純にグラフィックボードというパーツが一般的に認知されていない状態だったのだろうと、ゲーミングPCが家電量販店で普通に売られている現在は思います。
今で言うハイスペックPCと当時のハイスペックPCは全く別物で、当時で言うハイスペックPCとはグラフィックボードを搭載しているだけでハイスペックPCとされていたように思います。
2023年現在はというと、型落ちでもゲーミングPCとされているPCなら普通に動きますし、私の場合はGTX960で起動させています(ちょっと重く感じるのでそろそろきつい)。
また、ノートPC(i5以上)のオンボードでも起動します(描画を最低画質にしても少し重い)。
いずれにしても、ポリゴン数の多い空間ではオーバーヒートなどのPC負荷に対する注意が必要になります。
2023年現在にグラフィックボードの購入を考えるのであれば、GTX1660以上なら安心ですが、当然、PCのスペックは高ければ高いほど良いです。
PCのスペック不足が問題で失敗したと言われていますが、現代のPCゲームと比べると、むしろ標準以下のゲームスペックです。
公式発表のスペック(Win)
Windows
最低限の要求事項
推奨
インターネット接続*。
ケーブルまたはDSL
ブロードバンドインターネット接続
オペレーティングシステム。
Windows® 10(最新のサービスパック)
Windows® 11 64ビット(最新のサービスパック)
コンピュータのプロセッサ。
SSE2対応CPU、2コア
SSE2対応CPU、8コア
コンピュータのメモリ。
4GB
8GB以上
画面の解像度。
1024x768ピクセル
1920x1080ピクセル
引用元:SecondLifeグラフィック
OpenGL 3.2
OpenGL 4.6
記事が縦に長くなってしまうのでWindowsだけの紹介ですが、SecondLifeはMacとLinuxでもプレイが可能ですので、引用元の公式ページを参照してください。
また、サードパーティ製のビューアー(非公式起動ソフト)を使用すれば、スペック不足を補うビューアーや、スマートフォンでもプレイが可能になるビューアーなどがありますし、PCのスペックが高いから更に美麗な空間を楽しみたい!という方向けのビューアーもあります。
但し、それらのビューアーは非公式の海外製ですので、使用は自己責任となります。
オススメと言うか、公式のビューアよりもプレイヤーに採用されているほど一般的なサードパーティ製ビューアーもあるのですが、この記事ではそれについては触れません。
セカンドライフは村が点在している状態
セカンドライフでは、今も昔も村が点在してるような状態で、気の合う人達で集まっています。
村、というのはあくまでも表現でしかないのですが、ようするに各サーバーに気の合う仲間たちが集まっているという感じです。
その村、あるいは、家ともいえますが、いずれもユーザーがリンデンラボ・または代理店から借りてる区画です。その区画をそれぞれのプレイヤーがその人なりのセンスや好みで景観を作成しているので「村」と私は思っています。
規模は様々で、私の場合は街並みを作成しましたが、それでも村と表現しています。
セカンドライフでは土地という言い方をしますが、基本的には自分の物を置いたり自分の建物を建設したりする場所として使われる事が多いからです。
3D空間であるとはいえ、XYZの座標には平面の床があるのですが、床じゃ味気ないですし土地と呼ぶ方がわかりやすいとも考えています。
土地にはURLが付随しており、そこへはテレポート機能、あるいは地続きの場所であれば乗り物や徒歩で向かうこともできます。
単純にプレイヤーの土地(専有サーバー)が点在してる状態で、最大でも100人程度ですのでどのような景観であっても街と呼べるほどには人が居ないという事です。
それらは一般公開されていて公共のように使わせてくれている場所も多いのですが、そこに居る彼らは来るもの拒まずの姿勢で待っている事もあります。
しかし、場所によっては、うっかり足を踏み入れてしまうと、ちょっと怖いくらいの距離感で詰めてくる人も多いので気を付けてください。
また、いずれにしてもインターネット特有の虚言も多いのは事実です。但し、最も人口の多かった2010年前後からすると、害があるレベルでのクセの強い人はだいぶ減りました。
そもそもが、現実世界と同様に個々の考えや個々の生き方で成り立っていますし、インターネットの世界では、何者にでも成り済ますことができるので、他人のソレを良しをするか悪しとするかはプレイヤー次第です。嫌なら離れればよいだけの事。
気の合う仲間とのんびりふざけあって過ごす、現実では語れない悩みを語り合う、そんな時間を過ごす人も多いので、本当に気の合う仲間を探すか、あるいは気の合う仲間が来るように仕向ける策略も必要です。
これらはインターネットでは普通の事なので、ツイッターやインスタ、フェースブックなどのSNSでも同じことが言えますし、そもそもが現実世界でも同じですよね。
なんにせよ、ユーザーらによるそれぞれのコミュティが点在してる事で、それぞれのユーザーにとってのセカンドライフがよりよい状態に保てていると言えます。
ですから、自分の居場所を自分で探し、見つからなければ自分が作る事も大切で、その結果として、村が点在している状態になっているのです。
そのため、人が居ないと言う状態にもなるのですが、そもそも人が居るところに行かなければ人が居るわけもありません。
とは言え、確かに私でさえも『どこに行けば人が居るの?』とは思います。
ホントこれ(>_<) ただ、セカンドライフの日本語の情報って検索してもあんまり出てこないのも事実です。VRChatコミュニティのように、もっとメディアに対して戦略的に情報発信してもいいような気もしてますhttps://t.co/2BaacKbpJV pic.twitter.com/bDZslfp2rJ
— バーチャル美少女ねむ/Nem⚡今年最も輝いたV@MoguLive VTuber Award 2023 (@nemchan_nel) 2023年12月19日
バーチャル美少女ねむさんの言うような情報発信力の低さや拡散意欲の薄さに加え、身内びいき体質が日本人プレイヤーの残念な部分のように思います。
なんせこの記事も、執筆当時からVRC界隈の方に拡散して頂いてバズった時点でさえも、日本人プレイヤーのほとんどがスルーしています。
当記事を話題にしてくれたSL民は極わずかです⇒X(Twitter)
人が集まっている事が正解ではない
【セカンドライフ 過疎】というワードが躍る事もありますが、しかし、人が集まっているからと言って、必ずしもいいわけではないと感じますし、所詮は他人の群れです。
人が集まる施設、例えば水族館や遊園地などに一人で行って、そこで仲良くなれる相手はどのくらいいますか?
私はおそらく、仲良くなれるどころか誰にも話しかけることはできません。
あるいは、例えば、現実の駅前では沢山の人が闊歩していますが、個々で見ればそれぞれがそれぞれの目的で歩いているに過ぎず、彼らはいずれどこかへ行き、最終的には少人数、あるいはソロになります。
このように、1か所に人をまとめたからといって、全員と仲良くなれるわけでもありません。ライブのような一体感を一生求めますか?私は嫌です。
また、広大な土地であれ小さな土地であれ、そこはその人の家です。全く知らないなれなれしい人達が集まって来ても気持ちの良い物ではありませんよね。
私は以前、公共で遊べる街を製作しましたが、実体は街と言うカタチをした商店です。これらすべてが商品であり、自身の製作物の展示品(サンプル)でした。
住人は定着していません。しかし、多くの人がこの店を訪れて購入してくださり、気に入って使用してくれているので、セカンドライフの多くの場所で私の製作物を見かける事があります。ちょっと自慢しました。すいません。
一見すると街のように見えるこれも、単なる店ですし、言い換えれば家でもあります。
このように、セカンドライフの土地所有者はこのようなオブジェクトを購入あるいは自作して、景観を作って楽しむ人もいますし、何も置かない人も居ます。
街ではなく、家として、あるいは、クラブハウスや車のガレージなど、土地を持つ人それぞれの価値観を作成して楽しんでいます。
いずれにしても、セカンドライフに無数に存在する土地は誰かが運営または土地の販売者から借り上げている借地ですので、それを過疎と言い切るのはどうかと思いますし、公共の場所に集まる人はあまりいません。
普通に考えて、自分の住んでるアパートの一室に自分以外の人が何人いたら過疎じゃないと言えますか?
私なら、1人以上知らない人がいたら追い出します。
それを過疎と呼ぶなら過疎の方がいいです。
SL民としては総人口が多い方が良いかと言うとそうでもない。
一般的なユーザーとしては、多くの人がSLを楽しむ事には賛同するけれども、その分嫌な人が乱入してくる可能性も高いので、別に今のままで良くね?と思ってる人が大半です。
一方で、商人としては、購入者が増える方が経済的にプラスになるので、人が大量に来る事を望んでいます。
結局のところ、個々のセカンドライフを構築してるのは人間関係ですので、人が増えれば争いも増えるし、逆に友人が増える事もあります。
個々で楽しめるのがセカンドライフの自由度の高さの1つでもありますが、どうしたってグループで楽しむ方が、世界はより面白くなります。
リンデンラボ社としては、多くの人がプレイする方が良いに決まっています。
増えても減っても、いずれにしても、プレイヤー(ユーザー)はルールを守り、セカンドライフを盛り上げるように楽しむことが重要です。
いずれにしても、本音としては、自分の世界が壊されないなら正直どうでもいい、あるいは、自分の世界が広がるのなら歓迎 という感じです。
未来に残るだろうメタバースについて
様々なメタバースがこれからも出てくると思いますが、どういったものが残るか?
あるいは、どのようなものならプレイしたいか?
と、考えてみますと、セカンドライフの良いところを継承したものでなければ、私はそこに時間を費やす気にはなれません。
売買が可能な事である事が絶対的な条件で、一般的なオンラインゲームのように【決まったデザイナー】による【一方的に吸い上げられるシステム】でない事が重要です。リアル通貨への換金が出来ないのであれば短命、換金が出来るのであれば長命、但し、手数料が高いのであれば、その世界を頑張って盛り上げようと思う気持ちは日々薄まるでしょうね。
ユーザー間で楽しむためには、無限の可能性がなければなりませんし、現実世界の仕組みを模倣するのであれば【仕事】並びに【役割】と言うのがいかに重要か、考えるまでもないです。
決まったデザイナーによるアイテムのみが販売されるのでは、どうしたって個数に限度がありますから同じアイテムを持つ人が増えるばかりです。個性的なアバターとは?
スナップショットを撮って遊ぶ事を楽しみにプレイする人が多いのに、皆同じ恰好では面白くないですよね。お揃いアイテムはそういうグループでやる事と、選択肢が多いからこそ成り立つんです。そして、それらアイテムを製作して配るには、対価や報酬が必要です。それが微々たるものであれ、必ず必要なのです。
MOD可能なら、3Dモデリングの販売サイトで売ればいい?それはメタバースなら何でもいいとも言えますし、お金だけの話です。そしてそれは、大きく論点が違います。
あなたは、あなたが輝けるような仕事のできない仮想世界に何を求めますか?
話をしたい人が集まるだけで良いのなら、SNSでもBBS(掲示板)でも何でも良いのです。
最後に
この記事では【セカンドライフ 失敗】についてを書きました。この記事によって、何かが変わってもいいし何も変わらなくても良いと思っています。あくまでも私の経験談と考えをつづっただけなのですが、セカンドライフに関するネガティブな記事に対して正面から矢を放ちたいと言う気持ちがずっとありましたので、書けて良かったです。
結論としてはセカンドライフは失敗していないという事になりますが、もし、お気づきの事があれば「お問合せ」または「はてなブクマ」からご連絡ください。適宜加筆訂正を行いますし、内容によっては別記事を書きますので、よろしくお願いします。
【追記:2023/12/21】
下記のブクマコメントを頂き、加筆が必要だと感じた部分を加筆しました。
今さら目次
- まえおき
- Second Life(セカンドライフ)が失敗した理由
- セカンドライフのつまらなさ
- セカンドライフの現状
- 未来に残るだろうメタバースについて
- 最後に
- 【追記:2023/12/21】
- 今さら目次
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●自分でデザインした服をamazonで買ったのですが他人事のように評価します。 - urakatahero”B”log