おことわり
当記事では実際に病気になってしまって絶命したメダカの写真が掲載されています。
綺麗な写真とは言いがたいので、耐性の無い方は閲覧を控えてください。
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水カビ病のメダカを見つけたら
先日、日中はとても暑かったのですが、夜になって急速に冷え込み、冷え込んだかと思ったらそのまま冷たい雨が1日中降るといった日がありましたが、水槽に落ち葉やよくわからない粉上の物などが浮かんでいることからもわかるように、このところは強風を伴う日が続いていました。
そこで、表面のゴミを掃除してエサを与えようと思って水槽を眺めていると、様子のおかしいメダカを発見してしまいました。
体表に白いカビのような綿のようものがついていますが、これは、水カビ病またはわたかぶり病と呼ばれる病気になった状態です。
病気の主な原因
水カビ病になる原因としては、魚同士の喧嘩を含めた物理的衝撃による傷、または、水温や水質の急変などによるストレスなどで発生するものと考えられています。
具体的には、メダカの抵抗力が落ちている場合に体表に傷が着いてしまった事で、傷口に水カビが付着し綿状の菌に繁殖し、やがて体表を覆ってしまうので、メダカにとっては、かなり怖い病気です。
水カビ病は伝染する?
水槽の中に常にいる菌(常在菌)が、弱ってしまったメダカに寄生した状態ですので、正確に言えば水カビ病自体は伝染病ではありません。
しかし、その菌が強い勢力を持っている状態ともいえますので、同様の条件下で生活している他のメダカも病気になってしまう可能性はかなり高い状態です。
このような状態のメダカは、ほとんどじっとしていて動かない場合が多いのですが、水カビ菌の勢力が高まっている状態であるため、伝染病ではないとは言えども、例えば、他の元気なメダカが産卵準備(交尾)を行った際にメダカの横腹のウロコがめくれることもあり、そこから感染してしまう事もあります。
また、発情期ではオス同士による縄張り争いが多く行われるので、逃げたり追ったりしている間に体表を損傷してしまうことがあり、やはりその傷から感染してしまうケースが考えられます。
人為的な事故だと、硬い網=安物素材の網などによって体表が傷つく場合もあり、やはりそこから感染してしまいます。したがって、筆者は時間に余裕のある場合はお玉などで水ごと掬うことを推奨しています。
いずれにしても、このような病気の個体が現れると言うことは、飼育水の状態が悪いと断言できますので、水カビ病になっていないメダカを別の水槽へ隔離する必要があります。
水域が変わるというのはストレスになるため、免疫力が残っている可能性が高い水カビ病になっていないメダカを、隔離・疎開といったイメージで、綺麗な水へと引っ越しをしましょう。
\水ごと掬える/
水カビ病になってしまったメダカの取り扱い方
網などを使用すると、網目に鱗や水カビが引っかかってさらにひどいことになってしまうので、網の使用もオススメしません。
筆者の経験上、移動させるなどをしただけでも死んでしまうことが多いので、少しでも長生きをさせたいのであれば、個体にも水槽にも触れない事が一番で、運が良ければ元に戻ったりもしますが、かなり厳しいです。
治療法として考えられるのは【塩水浴・日光浴・薬浴】の3つが主な対処方法となりますが、メダカは小さい魚なので、完全に治ると言い切れる治療法はないのが現状です。
●塩水浴について
確かに塩水で治ることもありますが、よほどの生命力や運の強いメダカじゃない限りはほとんど助かりません。無意味とは言いませんが、頻繁に水替えをしなければ意味がない(バクテリアが育たない為すぐに水が悪くなる)ので、手間の割りに効果は高くありません。
●日光浴について
日光浴で殺菌や免疫力の回復と言っても、そもそも屋外飼育で日光を浴びて育っているのにこのようになっているのですから、ここまでの状態になってしまったら手遅れです。
●薬浴について
最後の頼みの綱はメチレンブルーです。
しかし、メチレンブルーを添加した水に浸けたからと言って治るわけではありません。
金魚ほどの大きな魚だったら体表が広いためゆっくりと治せる確率が高く、薬浴も効果的ですが、メダカはとにかく小さいので全身に菌が広がるのも早いため、運と生命力に委ねるしかないのが実情です。
何もしないのもなんだか飼育者として無責任と感じてしまう場合にはオススメですが、絶対に治るという保証はありませんし、薬浴を開始した直後に死んでしまうこともあるという点も、予め考慮しておきましょう。
\卵の保護にも/
飼育者ができること
残酷なので公開を躊躇していましたが、この記事のために写真を撮っていました。
このように、少しでもストレスをかけてしまうと絶命してしまう事が多いのが実態です。
絶命しかけ、あるいは、絶命したメダカはどういうわけか、鰭を逆ハの形にして固まっている事が多いです。
1秒でも長生きをさせてあげたいと考えるのであれば、慌てて水替えなどを行ったり、別の容器に移すなどをすると逆効果になりますから、「何もしない」が最も効果的で、その場合なら自然治癒で良くなることも特例的に起こりますから、運とメダカの生命力に委ねるのが、1秒でも長生きをさせるコツと言えます。
しかし、先ほども言いましたが、残っているメダカの状態が悪くなる前に、残っているメダカを隔離・疎開させた方がよほど良いです。その際、網を使うのはNG。
水カビ病にならないように予防する事も大事ですが、予防していてもなってしまう病気でもありますし、この問題はメダカのみならず、観賞魚を飼育する者全てに等しくやがて訪れる課題だと感じています。
水草などを使用していると水質浄化がされるため、こういうことにはなりにくいので、水草を使用した水質の安定化をオススメします。
\自然の力はすごい/
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