風神と雷神の魅力
俵屋宗達の風神雷神屏風図の風神雷神をモチーフにしたガチャフィギュアを10年前にGETしたはずだと思い出し、部屋中をひっくり返して探している。見つけ次第追記します。
筆者は昔から風神雷神が大好きなのですよ。
風神と雷神は「千手観音二十八部衆」の二十八部衆の内の二体なので、実は観音様の眷属なのですが「そんなの関係ねぇ!」と言わんばかりに、ニコイチワンセットとして崇められているこの風神雷神の魅力を深く掘り下げていきましょう。
世界的にもおなじみの風神雷神ですが「神っつーか、あんなもんどう見たって鬼じゃねぇか」と思いますが、なぜあの風神雷神が神としてしっくりくるのかって事をじっくりと紐解くと、自然の力や神秘的な存在に対する畏敬の念を象徴していることがわかります。
風神雷神の威圧感や恐怖感は、これこそがまさ崇拝の対象でもあり、伝統的な日本の神々の在り方を反映しているんですよ。
わかりやすく言えば、自然と言う脅威的なパワハラを回避するために、擬人化しておだてておこうという思考の元に産まれたキャラクターなのでしょう。
九十九神信仰・付喪神信仰・自然信仰と言う民間伝承系信仰由来の神ですから、モチーフとなった人物が実際にいたする根拠がないのです。
いにしえを想うとなんとなくわかる。
筆者の居住区は雷を伴う豪雨が多いので、雷を冠する神社も多いというプチ情報を前置きとして続けます。
ある日、筆者が田んぼ道の真ん中の農道をバイクで走っていると、ゲリラ的な豪雨に見舞われ、雷が自分に直撃するんじゃないか?と不安になった事がありました。
とは言え、雷や豪雨などがどういうものかという科学的根拠を含む情報を知っているのでそこまで危険視をしてないのですが、知識の乏しい時代だったら、恐怖どころの騒ぎじゃなかったのだろうと思いますし、雷が数年に一度しか発生しないような地域の人にとっては、この世の終わりを感じたことでしょう。
暴風雨がやってきて、ゴロゴロゴロと言う音が近づくと、パっと周囲が光りに包まれ、やがてガランガラン!ピシャーン!と大きな音が木を燃やすのですから、驚きのあまり心臓が止まった人もいた事でしょう。
悪事なんて誰にでも1つや2つ身に覚えのあることですから、「ああ、神様仏様、どうか助けて下さい!許してください!2度としません!」と、突然自己反省をしたりなどをしてる間に、雷は止み、雨が上がり、大きな虹などが出ようものなら、そりゃもう「祈りが通じたありがたやありがたや…怒らせないようにしよ…」ってなるのは、想像も容易ですよね。
勝手な想像ですが「暴風雨のあとに雷が来るのだから、雨の神と雷の神は別にいるんじゃねぇか?」「ああ!そうかもしれねぇ!いや!そうに違いねぇ!」っていうことのなったのでしょう。自然現象ですから、同時に体験をする人もいる為、ある意味では親しみやすい話題でもあります。そうすると、やがて、雷神にヘソを取られるだとか、キャッチーな尾ひれがついて伝承化していったのでしょうなぁ。
ってなことを考えるのが好きです。はい。
風神と雷神を英語でなんていう?
風神/雷神を英訳すると【WIND GOD / THUNDER GOD】となりますが、これは愚者の回答ですよ…と言うのも、それは説明であって、名称ではないからです。
猫=CATと言ってるようなものです…ん~、例えば飼い猫のタマを英語でCATは言いませんよね。タマはTAMAです。
ですから、風神雷神は名称なので、英語でも【FUJIN & RAIJIN】となります。
せっかくなので、風神雷神の簡単な説明を英語で記しておきます。
Fujin is a god that comes with rainstorms.
(風神は暴風雨とともにやってくる神です。)
Raijin is the god who controls thunder.
(雷神は雷を司る神です。)
Both characters are deeply familiar in Japan, and have been loved with a sense of awe for over 100 years.
(どちらも日本に深く馴染み、100年以上にわたり畏敬の念を持って愛され続けているキャラクターです。)
風神雷神を描いた画家
村上隆
ルイヴィトンのモノグラム柄にペイントされたパンダや花などのポップアートでお馴染の村上隆氏による風神雷神図。
俵屋宗達の風神雷神の基本的な設定を守りつつも、めちゃくちゃゆるくするという正反対の絵が良いですよね。
-------------
俵屋宗達
京都・建仁寺の国宝としてだけではなく、風神雷神と言えば俵屋宗達を思い浮かべる人もいるでしょう。一度見たら忘れられないほどのインパクトがありますよね。
俵屋宗達の風神雷神屏風図を模倣として、尾形光琳・酒井抱一などをはじめ、琳派と言えば風神雷神図となっています。
-------------
尾田栄一郎
ゴロゴロの実を食べた『我は神なり』というセリフでお馴染みのエネルと言う名のカミナリそのもののキャラクターがいますが、どうみても雷神モチーフです。
余談ですが、筆者は空島編が苦手だったのですが、読み直してみると面白かったです。
執筆後記
と言うわけで、風神雷神がいかに一般的に知られたキャラクターなのかをお伝えしました。
結局のところ、なんだかよくわからないけど、妙に愛嬌があり、しかし、どこか恐ろしいという、やっぱりなんだかよくわからないのが魅力なんですよ。ええ。