メダカの飼育に関する酸素の話
メダカに限らず、地球に暮らす生命には酸素が必要です。
一般的な水槽と言えば、ブクブクと呼ばれるフィルター付きのエアーポンプを設置し、魚たちの鑑賞を楽しむ物ですが、ではなぜビオトープをはじめ、屋外飼育を行う多くのメダカ飼育者たちは人工的な酸素の添加を行わないのでしょうか?
エアーポンプを使わない理由
そこには様々な理由がありますが、いずれにしても答えは『その必要がない』というのが結論になります。
具体的には、水面の広い飼育ケースを使用することで、水面から充分な酸素を得る事が出来るため、その必要がないのです。
また、24時間稼働するエアーポンプによる水流でメダカ達が疲れてしまい、最悪のケースだとそのまま★になってしまうというデメリットが大きいからです。
一台一台設置してたら設備代がものすごくかかってしまうし、その対価としてのメリットがほとんどない事が要因です。
じゃあ絶対にいらないのか?というとそうでもない
『必要がない』とはいえ、エアーポンプによる酸素の添加を行わないのが正解ではありませんし、かといってエアーポンプによる酸素の添加を行うのが正解でもありません。なぜかというと、その人それぞれの飼育スタイルによるところの飼育環境が大きく関係するからです。
例えば、過密飼育であればあるほど酸欠に陥るので酸素の添加が望ましいですし、あるいは、飼育に充てられる時間が少ない場合は、水を循環させる為にエアーポンプを使用したろ過を行うことに充分なメリットがあります。
私の飼育環境の例では、使用している井戸水の溶存酸素量が多いので、エアーポンプによる酸素供給を行うと過酸素になってしまいますので、こうなると大きなデメリットになります。
つまり、大切なのは人工的な酸素の供給を行う事ではなく、飼育しているメダカ達がいかに快適に過ごせるか?というのがポイントです。
酸素の供給について
60cm未満の小さな水槽での飼育の場合は、水面が狭い事によって自然からの酸素を取り込む力が弱いため酸素の供給が必要です。また、メダカ飼育は過密になりがちです。
特に屋内での飼育は酸素が足りなくなる傾向にありますので、エアーポンプの使用によって酸素不足の回避が望ましいのですが、しかし、問題点は『水流による疲労の回避』です。
幅の狭い水槽でボコボコと大きな気泡を作っていては、水中では24時間フルマラソンになります。あるいは、洗濯機の中で暮らしてるようなもの。
岩や流木などを置いて水流から逃れられるスポットを作るのも良いですが、そもそも水流が少なければ問題ありません。
水流を抑えるための道具がオススメ!
簡単に空気の吐出量を調節できてオススメなのが、エアークランプです。
エアークランプは物理的にチューブに圧をかけて内径を細くさせる為、酸素の供給量を調節する事ができます。また、水合わせの際の”点滴”にも使用する事ができます。
これを使用せずともチューブを結べば良いのですが、見た目によろしくないのと調節がめんどうなので、エアークランプを使った方が圧倒的に楽です。
いざというときに使える品物なので、こういうのがあると言うことだけ覚えておいて損はないですよ!
オススメのエアーポンプ
水作 水心SSPP-2S
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パワーの弱いエアーポンプを使用する事でも水流は減るのですが、水槽1ヶ所につき1つのエアーポンプを使っていてはエネルギーロスが多すぎますし、なにより電気代がかかりすぎます。
中型~大型の本体は備え付けの酸素吐出量の調整機能がついている物が多く、酸素の供給量(酸素吐出量)を絞る事で、水流を抑えつつ過剰な酸素供給も行わないと言う事が可能になりますし、分岐弁を使えば複数の水槽にも使用できますので、大型のエアポンプがオススメです。
エアーポンプに限っては大きければ大きいほど便利で、完全に大は小を兼ねます。とは言え、大型はそれなりに振動もあってうるさいので、私がオススメするのは”水作のエアーポンプ”です。機械製品なので当たりはずれはあるものの、ハイパワーなのに対して音はかなり静かです。
ちなみに、私は屋外でのプラ池ビオトープの底面濾過のエアーリフターとして水作を使用しています。
参照:めっちゃ簡単なのに強い池、それがプラ舟ビオトープです!和みの癒し空間を簡単に作りましょう! - urakatahero”B”log
オススメのエアーストーン
いぶき エアーストーン
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キング砥石社のいぶきエアーストーンは、細かな気泡を出す事で有名です。
かくいう私もレッドビーシュリンプの育成をしているときは”いぶき”を使用していました。その後も様々なエアストーンを購入し使用しましたが、結局20年程使用しているのは”いぶき”のエアストーンです。
細かな気泡が真っ直ぐ昇る事で、水中に酸素が溶け込みやすく、水流も抑える事ができるのでオススメです。
様々な形状の物がありますが、いずれも細かな気泡を発生させるので、エアーストーン選びに迷ったら”いぶき”にしておけば間違いありません。
私は、いぶきのエアストーンのみの記事が書けるくらい信頼しています。
大規模な設備ではエアーポンプじゃ無駄が多い
安永 AP-40P 浄化槽エアーポンプ ブロワー
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大規模な設備でそれぞれの容器に酸素をおくる場合、通常のエアーポンプでは無理がありますので、浄化槽用のブロワーがオススメです。
とは言え、私は私の家の浄化槽のブロワーについて詳しいだけで、具体的にどのようにすれば良いのかというのは、実践してないのでなんとも言えません。
熱帯魚屋さんの設備に興味を持って訪ねた時の回答は、塩ビパイプを通して空気を送り、塩ビパイプに一方コックを固定してそこからチューブを通して水槽に酸素を送っているとの事でした。
ちなみに、浄化槽のニオイがきつい時はブロワーの交換が良いようです。モーターから空気はきちんと送られているけど、経年劣化によってパワーが落ちてるとの事。
つまり、浄化槽のばっ気には弱いけれど、エアーポンプとしてはハイパワーであることから、現在の浄化槽に使用しているブロワーと新しいブロワーを交換すれば、1つ余ります。あとはわかるな?
記事のまとめ
屋外でのメダカの飼育は、水面の大きな飼育ケースなら充分に酸素を取り込めるので人工的な酸素の供給はせずともよいが、過密飼育だったり水面が狭い場合は酸素の供給が必要になります。
ところが、酸素の供給力が強すぎるとメダカに運動を強いる事になり、体力がなくなったメダカから★になっていきます。ちなみにこれは上部濾過や外部濾過だとさらに過酷になりがちで、とくにヒレの長い種類は水流に弱いのが特徴です。
バイクや自転車は常に向かい風で結構体力を削られますよね。では、背中に羽根のような板(ダンボールでも可)を張り付けてみてください、どうですか?恥ずかしいでしょう。
ではなくて、明らかに進みずらいですよね。
メダカの飼育における水流とはそういう事です。
これらの事から、飼育状況を的確に把握し、酸素供給のメリットが勝るようであれば、水流を少なく酸素の供給を行うことで、メダカ達を元気に美しく育てる事ができます!