夢のゆくえ
死が2人を別つまで。
「あなた、魔法をかけたでしょう」というフレーズから始まるこの曲は、まるで夢のような不思議な世界へと誘ってくれます。
雑踏の中にいるのに、まるで時が止まったような静寂を感じ、あなたの声しか聞こえないのはなんでだろう?不思議だなと思っている主人公に『恋をしたね』と、さそり型の星座が主人公に教えてくれるファンタジー感が不思議で素敵です。
西の夜空のさそり座は日暮れの暗喩で夜の訪れを暗示しています。
「あなた、これはきっと夢」
不思議の夜を越えた『私』が昨日と今日が違うと感じたのは、なぜか。
恋をする前に読んだ物語の主人公と同じような気持ちを感じているのは、なぜか?それは、魔法が終わっていないからです。
夜汽車というのは、旅の暗喩であり、人生を暗示していると感じました。
汽車は始発と終着がありますが、人生というのはどこで終わりを迎えるのかわかりません。
そして、「私」はずっと、不思議な旅(恋)が「あなた」によって終わらない事を祈っていると締めくくられています。
筆者の雑感
とにかく美しい白鳥英美子氏の歌声と、武田鉄矢氏による文字1つ1つに拘りが見えるような歌詞、白鳥澄夫氏の白鳥英美子氏や音楽に対する愛がつまっているような曲、ドラえもんの映画の為の音楽という舞台も相まって、名曲と言わざるを得ません。
なぜ、アラビアンナイトをモチーフとしたドラえもんの映画なのに恋の歌なのか、この映画を見たのび太くんと同じような感じだった当時はまったくわかりませんでした。
しずかちゃんの気持ちを歌っているのか?と思っていましたが、おっさんになって気づいたというか、今 気づいたのですが、それは、アラビアンナイトが千夜一夜物語だからなのですね。
いくつもの夜を駆け抜けるようでいて、しかしそれはたった一夜の物語。
「開けゴマ」と「どこでもドア」のように時間や場所を越えてワープする事は物理的に不可能ですが、一夜で千の夜を越える事は可能です。
だって、それこそが絵本だったり小説だったり、本の中の物語なのだから。
そう、映画・ドラビアンナイトは本の中に入る物語なのです。
その要素の全てを武田鉄矢氏が短い作詞の中に仕上げたのだから、天才だと私(筆者)は思いました。
4分ちょっとの曲なのに、あっという間に終わってしまう曲。
まるで夜汽車に乗せられたかのようで、つまり、魔法にかけられたような不思議な気分を味わいました。
美しい言葉・美しい声・美しい音楽それらが調和してただただ美しく、それでいて、純粋さと希望に満ち溢れた美しさを感じます。
ですから、この曲に泣く要素なんかないんです。
それでもなぜか涙がこぼれるのはなぜでしょう。
どこへいくのか、だれにもわからないけど、楽しい気持ちをずっと抱いて生きていきたいですね。
\名作です/
melodies of life
死は別れじゃない。
先の夢のゆくえが恋の歌ならば、これはその先の愛の詩、少女の恋から大人の愛へと進んだその夢のゆくえ、云わば続編であり答えだと思えます。
つまり、死が2人を別けたその先なんです。
生きてる人側の気持ち。
あなたとの思い出を頼りに面影を探し続ける日々。
「明日」の約束をしなくても、あなたとわたしは絶対に一緒にいたのに、あなたがいなくなってしまったのだから、もうあの日々には二度と帰れない・・・。
それでも記憶の中のあなたは、笑顔で私の名前を呼び、手を振ってくれる。
思い出すたびに、やっぱり涙が溢れてしまうけれど、その悲しさを受け止め、大切に、明日を生きていく決心をしなければ。
わたしは明日も生きていくのだから。
亡くなった人側の気持ち。
わたしはきみにいくつの良い思い出を与える事ができただろう。
してあげたいことはたくさんあったのに、もう手が届かないところに来てしまった。
別れが来るときが必ず来る(必然)のに、巡り合いを偶然と呼ぶのは、残酷ではないか。
それでも、きみが生きている限り、いのちは続く。
わたしが死のうとも きみが生きている限り いのちはつづく。
だからわたしの分まで楽しく生きて欲しい。
それが絆なんだよ。きっと伝わっているはず。
筆者の雑感
歌詞を転載できませんので、勝手に解釈して意訳しましたが、何度も聞きながら解釈を重ねていく間に何度も泣いてしまいました。
ゲーム音楽界のベートーベンと評されるほどに美しい旋律を奏でる植松伸夫氏の作曲と、やはりとにかく美しい白鳥英美子氏の歌声、シオミさん(不明)のストレートな歌詞が心に響きますし、こちらも名曲です。
この曲はファイナルファンタジー9(FF9)というゲームのエンディング曲なのですが、ゲームをプレイしているとこのゲーム内のBGMのいたるところで melodies of life のフレーズが使用されていることに気付きますが、はっきりわかるのはエンディングに到達した2周目以降です。
筆者はこのFF9をFFシリーズの最高傑作だと考えている為、多くの人に是非プレイしてもらいたいと思っており、ゲームの内容はネタバレになるのであまり語りたくありませんが、ざっと言うとこのゲームはお姫様が1人の男性と出会い、一緒に冒険をする物語なのですが、やがてその男性がとある理由で居なくなってしまいます。
彼らを含む個性的な登場人物全てが個々の悩みなどを抱えており、人生 をテーマにした壮大な物語を堪能することができます。
ちなみに筆者の推しはベアトリクス将軍で、さらに余談ですが、FF6の推しはセリス将軍です。
さて、まさに物語とは人生の断片ですが、このゲームではBGM(メロディ)のその端々に melodies of life のフレーズが使用されているのも、まさにmelodies of lifeだと感じます。ちょっとこれ、何言ってるかわかりますか?
melodies とは、人生の旋律達と直訳できますが、思い出を暗示してます。
人生は、喜びや悲しみ、苦しみや楽しみなど、様々な感情や経験に満ち溢れていますよね。
Melodies of Life は、これらの様々な出来事を、それぞれ異なる音色や旋律を持つ音符に例え、人生という壮大な音楽作品に織り成しているというイメージを表現しています。
まぁ、そんなことよりも、単純に聞いててなんだか知らんけど泣ける。
それに尽きます。
「生きるってことは、永遠の命を持つことじゃない」
\名作です/
他:Steam/windows/ps4/Android/iPhone
白鳥英美子氏とは
1969年にフォークグループ「トワ・エ・モワ」のメンバーとしてデビュー。
2024年現在はシンガーソングライターとして活動中。
1990年4月から1992年3月まで放送されたアニメ『楽しいムーミン一家』の第一期のOP曲「夢の世界へ」、第二期までのED曲、列びに挿入歌を提供し、第一期のナレーションも担当しておられました。
2024年10月19日(土)に渋谷区文化総合センター大和田さくらホールで、白鳥英美子さんの 55周年記念コンサートが行われる予定です。
チケットの一般発売は2024年 5 月 18 日(土)からチケットぴあ・ローソンチケット・イープラス・CNプレイガイド・キャピタルヴィレッジにて。
詳細は白鳥絵美子さんのオフィシャルウェブサイト(https://emikoshiratori.net/)をチェックしてください!
執筆後記
はーボロボロ泣いてスッキリした~。
でも、なんで涙が流れるのだろう?
この記事を読んだあなたにも涙がぽろっとしちゃう楽曲があれば是非教えてください。
筆者もそれを聞きながら泣きたいです。
以下の記事も音楽についてです。
●ChumbawambaのTubthumpingを聞いてたらわけがわからなくなってしまった話 - urakatahero“B”log
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