屋内飼育と屋外飼育について
屋内飼育と屋外飼育にはそれぞれにメリットとデメリットがあります。
ざっくり言えば、物理的なスペースの余裕と環境の違いになりますが、今回の記事では更に細かく考察していきます。
最終的には、1万匹のメダカを飼育するのに適した環境とは何か?についての結論を見出します。
屋内飼育のメリット
屋内での飼育のメリットは、屋根や壁に囲まれている為、水温の変化が少ない事と容易に電気を扱える事です。
電気を扱えるというのは、つまり、サーモヒーターや照明などを使用して環境を”常に春の状態”に調整する事ができるため、大きなアドバンテージとなります。
また、透明水槽を用いる事で凝った水槽レイアウトを行うこともできますし、メダカ自体を横から見る楽しさを感じる事ができます。
屋外飼育のメリット
屋外飼育のメリットは、常に新鮮な空気や太陽のエネルギーを取り込むことができるため、メダカの飼育がとても簡単になる事です。
また、屋内ではこもりがちな飼育によるニオイも風によって拡散されるため軽減されます。
屋内飼育のデメリット
屋内飼育のデメリットは、物理的スペースの確保のむつかしさと、飼育水のニオイです。
後述しますが、私は屋内で3台のNVBOX#13を使用してメダカを10匹ずつ飼育していましたが、部屋中が魚臭くなりましたし、物理的なスペースを使用するためにテーブルが使えなくなりました。但しこれは一般的な飼育方法ではありません。
一般的な水槽を使用しての屋内飼育に適した環境にするためには、設備投資も必要になってきます。
具体的には、水槽は水面が狭いためNVBOXなどのコンテナを使用するよりも酸欠になりやすいので、飼育数にもよりますが大きな水槽ほど良く、可能であれば60cm規格以上の水槽をオススメします。
また、空気を取り込める装置(エアーポンプあるいは濾過装置・扇風機など)の設置をすべきですが、しかし、メダカは水流を嫌う(あるいは水流を好みすぎる)傾向にある為、水流に逆らい続ける事で体力を消耗し、そのまま死んでしまうこともありますから、水流をなるべく作らない環境を整える必要もあります。
自然環境に近づける為に、太陽を模した照明環境(タイマー&照明)も必要です。
主観ですが、私は水草育成用とされるライトが良いと感じています。
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屋外飼育のデメリット
屋外飼育のデメリットとしては、大小さまざまな虫が水没している事も多いので、虫嫌いの人には大きな難点かもしれません。
参照:【虫注意】うわぁ!ビオトープに虫の死骸がめっちゃあるんだけど!?しかもなんかくっせぇわ!! - urakatahero”B”log
そして、虫を狙ったカエルの住処になる事もあります。カエルはメダカを食べる・食べないと話題になる事もありますが、私の水槽の場合はメダカが減っていることもあり、カエルが怪しいと踏んでいますが、証拠を押さえる事が出来ていません。
また、屋外飼育において最も大きなデメリットとなるのが、天候に左右されるということです。
雨が降ると飼育容器が溢水を起こしてメダカがケース外に飛び出してしまいますし、水質・水温の極端な変動によりメダカが死んでしまう事もあります。
強い直射日光によって、水温が上がりすぎて死んでしまうこともあります。
また、近年では”メダカ泥棒”による被害も多発している為、注意が必要です。
監視カメラの作成:【メダカ泥棒撃退法】古いスマホをWEBカメラとしてPCに連動させて屋外ビオトープをLIVE配信した方法 - urakatahero”B”log
屋外飼育のデメリットへの対処
【雨について】
溢水防止のオーバーフローとして機能させるために横穴を開けたり、スポンジや厚手のキッチンペーパー・雑巾などを容器のフチにかけておくことで溢水を防ぐことができますが、オーバーフローでの排水は、あくまでも排水としてしか機能しないため、屋根を設けて水質・水温のへの変化を緩やかにする事が望ましいです。
参照:屋根なしメダカ水槽の為の雨対策-改良版- - urakatahero”B”log
【遮光について】
強すぎる日光への対処としてスダレをかけるなどの遮光も必要ですが、せっかくの日光を遮光しすぎるのも環境としてはよくないですし、なによりもせっかくの陽射しがもったいないので容器の半分ほどの射光が良いです。
参照:屋外メダカ飼育の為の陽射し対策 100均のアレがNVBOX#13にシンデレラフィット - urakatahero”B”log
【動画で見る】
NVBOXを使用したメダカの屋内飼育
水槽ではなくNVBOXを使用した実際の飼育方法になります。
この記事を執筆している現在(2023年09月)では、屋内でNVBOXを用いたメダカの飼育をしていませんが、屋外同様にこの飼育方法だと比較的容易に飼育が可能です。
但し、難点としては油膜と飼育水のニオイに悩まされる事が多かったです。
ちなみに外掛けフィルターを用いての透明水槽(30cm規格)での飼育も行っていますが、こちらでの飼育はやや難しく感じます。
というのも水流を抑え込むことがどうしても難しい為です。
1万匹のメダカを飼育するのに
最も適した環境とは?
1ℓにつき1匹のメダカ(大)の飼育が基本ですので、単純に1万ℓの飼育水が必要です。
私としては、飼育容器のサイズ(水量)が多くなればなるほど、メダカ1匹あたりに必要な飼育水は減っても大丈夫と考えていますが、今回は基本にのっとって1ℓに対して1匹で考えるとします。
物理的なスペースのこと
なにもよりまず、物理スペースの確保が重要になりますよね?
日本の一般家庭で使用されているお風呂の基準は約200Lですので、1万ℓ=浴槽50個分になりますから、浴槽を50個設置できるスペースが必要になります。
【NVBOX#13】は、1BOXあたり13ℓ入る事になっているのですが実際はそこまで入らないので10ℓとすると1000個で1万ℓになりますので、NVBOX#13を1000個置くスペースが必要になります。
【NVBOX#13】は、幅28.7cmx奥行43.5cmx高さ14.5cmですので、幅28.7cmx奥行43.5cmx高さ14.5cmの箱を1000個置くために必要な面積は、以下のように計算できます。
まず、一つの箱の底面積は、幅と奥行きの積で求められますので、つまり、一つの箱の底面積=28.7×43.5=1248.45 cm2 となります。
次に、1000個の箱を並べたときの全体の面積は、一つの箱の底面積に1000をかけたもので求められますから、1000個の箱の全体の面積=1248.45×1000=1248450 cm2となります。この面積をメートル単位に換算すると、1000個の箱の全体の面積は1248450÷10000=124.845 m2となります。
したがって、幅28.7cmx奥行43.5cmx高さ14.5cmの箱を1000個置くために必要な面積は、約125平方メートルです。
1坪3.3m2なので、約38坪になります。
駐車場換算だと、普通乗用車1台分の駐車場の広さは、国土交通省の指針では幅2.5m×長さ 6.0mであり、約4.5坪分の土地面積となっていますので、約8.5台分の駐車スペースとなります。
但し、この計算には足の踏み場の分はありません。
メダカの育成環境について
この規模になると、どちらでも変わらないように思えますが、圧倒的に透明な屋根があった方が良いです。
以上の事から、現実的にはアパートやマンション等の屋内でのは不可能なので、屋外の飼育になりますが、ビニールハウスや倉庫を使用しての飼育が最も大規模なメダカ飼育に適した環境であるという結論になります。
\簡易的なビニールハウスについて/
【メダカ】梅雨の屋外飼育ならビニール温室を使うと針子も安心して育つ - urakatahero”B”log
記事の締め
”結論”
メダカを1万匹飼育するスペースに必要なのは約125平方メートル(約38坪)で、天井が透明な倉庫が望ましいです。
どのような規模であっても、メダカの飼育にあたっては【日当たりの良い場所】【風通しのよい状態】【大きな音頭変化のない場所】【雨が当たらない環境】であることがメダカの育成にとって好条件に繋がりますし、飼育者としても天候に左右されずに適切な飼育を行うことができますので、大規模なメダカの飼育には風調設備(換気扇や扇風機)のある”倉庫”や”ビニールハウス”などの開放型建造物が適切となります。
これを屋内と捉えるか屋外と捉えるかと言えば難しいところですが、屋内ということにしておきましょう。