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【体験系雑記帳】

メダカ飼育におけるオーバーフローの効果と3パターンの作り方


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巨大なオーバーフローから流れる滝のような水のイラストを背景にしたタイトル画像(筆者によるAI作成画)

『要するに排水口』

 

まえおき

今回の記事でのオーバーフローとは、溢水(いっすい)をコントロールする為のものとなります。

ちなみに溢水とは水が溢れる様を表す言葉です。

ようするに、水槽の水が一定レベルを超えた時に余分な水を排出する仕組みのこととなります。

 

オーバーフローについて

溢水する箇所を排水口とすることで、排水先をコントールできます。

これをオーバーフローと呼びます。

オーバーフローを用いると、水面が飼育容器ギリギリの高さになるとメダカの飛び出しリスクが高まってしまうので、それを予防する事が可能です。

 

応用としては、オーバーフローの排水先を濾過層につなげて、濾過された飼育水を汲み上げポンプで元の水槽に戻す事で、常に水を循環させる事が可能です。

これにより常に水が動く事で、新鮮な水とまではいかないまでも、ある程度の水の劣化を抑えるばかりか、バクテリア類の繁殖を促すことができるなど、設置のメリットは多くあります。

この構造が、いわゆる、オーバーフロー式濾過と呼ばれるシステムです。

 

濾過の話ではありますが、植物濾過(アクアポニックス)を取り入れる事で、魚に有害なアンモニアなどの有害な毒素を、植物の栄養源とすることで減らすことも可能です。

 

オーバーフローの用途別パターン

底面から吸い込むオーバーフローと水面型オーバーフロー図(筆者作成)

2PTofO/F

オーバーフローのパターンとしては、水面排水型と底面排水型の2パターンがあります。

どちらも飼育水の排水を目的とする構造なのですが、用途が違います。

 

水面排水型は、水面に浮いたゴミや油膜を排水するのに役立ちますが、底面の掃除には向きません。

垂れ流しで良ければ横穴を開ければよいだけなのですが、排水先を指定したい場合は塩ビパイプや塩ビジョイントパーツを使用するなど、工作が必要となります。

また、底面に穴を開けてパイプを通し、水面から水を下層へ落とす方法もあります。

 

底面排水型は底に沈んだ糞などを排水するのに便利ですが、水面の汚れの除去は出来ません。また、底に沈んだ糞の完全除去もできませんし、水位が低くなってしまう=水量が少なくなってしまうので、自己満工作になってしまいます。

こういった工作は楽しいのですが、工作にかかる費用や時間、失敗に対する不安などを考えると、テトラのじょうろでキレイシリーズを購入した方が良いようにも思います。

 

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さて、最も効果が高い底面排水型としては、底面に穴を開け、お風呂のゴムで蓋をする事ですが、通常の飼育では現実的ではないかもしれません。

 

いずれにしてもオーバーフロー機構を設けるには飼育ケースに穴を開ける必要があり、また、排水溝からメダカが飛び出さないように網をかける必要があります。

 

最も簡単なオーバーフローの作り方

毛細管現象を利用した簡易的オーバーフロー装置(筆者撮影)

布をかけるだけ

排水ではあるのですが、毛細管現象を利用して水分を外に逃がすだけの簡易的措置ですので、通常のオーバーフローに比べて水面の掃除だとかの効果はありません。

排水力の強さは吸水力の強さに比例します。

 

メダカの飼育にオーバーフローは必要か?

オーバーフローで何をするかにもよります。

屋外飼育で取りざたされがちなテーマとしては、雨による溢水防止としてのオーバーフローですが、溢水よりも雨の進入による水質と水温の変化の方がメダカには厳しい事が多く、病気の原因となったりもします。

そのため、雨対策としてはオーバーフローよりも、雨そのものを水槽に入れないように工夫する必要があり、ともすれば、その場合はオーバーフローは必要がありません

 

ですが、換水の補助としての役割を担うのであれば、必要です。

具体的には、足し水をするだけで水面のゴミ(残餌や粉塵・油膜など)の排水が出来ることや、濾過装置へ接続することで水の流れを作ることも出来るので、死水域の減少にもつながります。

 

このように、オーバーフローをどのような用途で使用するのかによって、必要不必要を見極めることが可能となります。

 

あるいは、水槽と水槽を繋ぐためのパイプもオーバーフロー構造だと簡単に行うことができますが、オーバーフロー構造にしなくても、サイフォンの原理を利用する手もあります。

 

今回は文字ばかりの記事なので、オマケ的にサイフォンの原理を使用して水槽同士を連結する方法についてを記します。

 

サイフォンで水槽同士を繋ぐ

水槽同士を逆サイフォンの原理を利用して繋いでいる図(筆者作成)

空中トンネル

パイプ内を水で満たして真空状態に状態にすると、それぞれの水槽の水位が均等を保つようになります。

但し、下段の図の用に低い水槽の水位に合わさります。

簡単な説明ですが、これがサイフォンと呼ばれる現象を利用した水槽の連結方法です。

 

ちなみに、この原理を応用すると以下の動画のような事もできます。

 

記事の締め

なんとなく恰好良いからという理由でオーバーフローにするのもアクアリウムの楽しみ方の1つですが、オーバーフロー構造である理由を考えることで、単なる排水口というだけではなく、さらなる発展もできます。

『変なところから水が溢れるのが嫌だから』

『濾過層につなげたいから』

どんな理由であっても、そこに明確な思惑があると構造が美しく思えますよね。

 

屋外では水がこぼれても大した問題にはなりませんが、屋内では大惨事になる事がありますので、オーバーフロー構造を覚えておくと役に立ちますよ!

 

せっかくなのでこちらの記事もどうぞ!

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