エアクリーナーエレメントとは
エアクリーナーエレメントは、エンジンが吸い込む空気中のゴミやホコリをろ過するフィルターで、エアクリーナーボックスに入っています。
エアクリーナーエレメントが汚れたり目詰まりを起こしたりすると、空気の吸い込みが悪くなるので加速が鈍くなります。
無駄なエネルギーを消費してしまうようになり、結果として燃費の悪化に繋がります。
50ccの場合は3,000~5,000キロ毎の交換が目安とされていますが、私の場合は気になった時に交換するようにしています。
2ストジャイロのエレメント交換の方法
ジャイロXとジャイロキャノピーのエンジンは基本的に構造が同じなので、どちらでも方法は同じですが、年式の違いによって若干の違いがありそうです。
以下、交換方法を綴っていきますが私のジャイロXの型式は”TD01-21”です。
作業はとても簡単で、数分で終わります。
具体的にな作業内容はフィルターを入れ替えるだけですが、今回はその工程を残しておきます。
1.エンジンカバーの鉄板を外す
エンジンルームでさえもこれだけ汚れてしまうので、フィルターが大事です。
土や砂などがキャブに入り込んだり、ピストンのスキマに潜り込んだら大惨事になりそうです。
エアクリーナーボックスにはアルミテープを貼っているのですが、トヨタ社がアルミテープチューンを推奨しているのでうのみにしているだけです。
2.エアクリーナーの蓋を外す
エアクリーナーボックスの蓋を止めている金具があまりにも硬く細い為、指で押して開けようとすると指が痛くなってしまいました。
ドライバーなど鉄の棒を使用してテコの原理でグイっとやると良いですが、それでも硬いので苦戦するかもしれません。
3.パーツクリーナーで洗浄
※フィルターの汚れっぷりは後述します※
エアクリーナーエレメント(フィルター)を外してエアクリーナーボックスの中を見ると、砂と土と油で汚れていました。
後述しますが、私が使っているエアクリーナーエレメントは”乾式・極細目”なのですが、これが粗目だったらもっと汚れていたのでしょうね。
せっかくなので洗浄しますが『ここに水をかけないでください』とエンジンカバーに書かれている部分の最奥地なので、速乾性のパーツクリーナーで洗浄することにしました。
『勾配があるから手前に液体がたまるので大丈夫だろう』と判断し、調子に乗ってジャバジャバかけましたが、結果的に大丈夫でした。
ちなみに、キックでもエンジンがかからない時はここに1秒ほどパーツクリーナーを吹いてあげるとエンジンがかかる事が多いですよ。
かなり綺麗になって満足度が高いです。
洗浄するとなんだか気持ちがよいのでオススメです!
4.エアクリーナーエレメントを交換
なんだか綺麗に汚れてるだけでなんの意味もないのですが、大根おろしをちょっと乗せて醤油を軽く垂らした卵焼きを食べたくなりました。美味しそうなキツネ色です。
汚れの位置でわかる人にはわかると思うのですが、灰色の部分を上にして入れてありましたがなんの問題もなかったです。
おそらく、間違えたと言うよりも何かを試してたのだと思いますが、何がしたかったのか思い出せません。そして多分、大した意味もなさそうです。
デイトナからの案内を以下に引用します。
<ターボフィルター取り付け方向について>
※ 基本的には、黄色面(目が粗い面)が外側、黒色面(目が細かい面)がキャブ側になるよう取り
付けされることを推奨しております。
まぁ普通に考えたら、粗目で対処しきれない物を細目で止めると言う感じですから、最初から細目ではどうなんだろう?と思いますよね…あ、多分その辺を試してたのかもしれません。
どのような商品でも、なかなか『パワーアップを実現』とは言い切れませんよね。
実際のところパワーアップしていますが、あくまでも私の体感なのでなんとも言えませんが、少しでも効果を感じる=いい物なのでオススメできます。
なんだかもったいない切り方のように見えますが、横にすると指一本分ほど足りないのでこうするしかありません。余った部分は掃除用として使用できますので、捨てずにいつか何かに使いましょう。かなりの高級スポンジですし(笑)
ちなみに、ジャイロXのエアクリーナーエレメントの実測サイズは長さ17cm幅9cmでした。
裁断をしたハサミの切れ味が鈍いのと短かった事で、裁断部分がギザギザでかっこ悪いのですが、これで完成です。
今回の経験から言える事は、切れ味が鋭く長いハサミが良さそうだと言うことです。
ついでに、汚れていた部分全て(マフラー・エアクリーナーボックスの蓋)をパーツクリーナーで洗浄清掃したので、かなり綺麗になりましたよ!
やはり、綺麗になると気持ちが良いのでオススメです。
5.エアクリーナーボックスを閉じて完成!
前オーナーの意向で、エアクリーナーの蓋にレンコンみたいな穴が大量に開いているのでアルミテープで穴をふさいだりしているためいっそ新品に交換したいのですが、機能的には悪くないのでそのままでも良いと思うのですが、なんせ部品が高いので蓋部分だけでも塗ろうかな?と思っています。
ちなみに、エアクリーナーの蓋部分のパーツリストは以下です。
- 17207gag000 ケース蓋
- 17213gag000 ダクト
- 17214gag000 左の管
- 17219gag000 左の管のジョイント
エアクリーナーエレメントの種類
エアクリーナーエレメントは湿式・乾式・紙式の3種類があります。
湿式
ジャイロXの純正に採用されているのはこちらです。
湿式フィルターとはオイルを染み込ませて使用するタイプで、防塵性が高いフィルターです。
基本的に湿式タイプはボロボロになるまで繰り返し使えるので経済的ですが、灯油で洗って乾かせてからオイルを染み込ませると言う作業の手間が1つ2つ増えます。
乾式
乾式フィルターとは、最低限の防塵効果を持ちながら吸気力を高めたフィルターです。
しかし、今回の記事を見てもらって居ればわかると思うのですが、かなり砂・土がエアークリーナーボックス内に混入していたので、やはり交換頻度を高める必要があると感じます。
とは言え、交換頻度を高めさえすれば強力な効果を発揮しますのでオススメできます。
紙式
紙式フィルターとは、いわゆるキノコみたいな形のパワーフィルターについているペーパーフィルターの事でエアクリーナーごと交換する必要があります。
オススメのエアクリーナーエレメント3選
01.デイトナ(汎用)
デイトナターボフィルター極細目(S)
【amazon】【楽天市場】
ドケチな私も使用している”高級”ターボフィルターです。
これは高性能な汎用品なので、多くのバイクに使えますから、当然、更に古いジャイロでも使えるはずです。
Sサイズで2回分なので1回分約1000円と高級品なのですが、これに交換すると排気音が少し大きくなります。
『爆音☆最高』というわけでもな…くはないです。はい。音が大きくなるのは、吸気の量が大きくなっている為ですので、キャブのセッティングを変えねばならないなど、簡単に交換できる割りに奥深いパーツです。
粗目・標準・極細目の3種類が販売されていますが、荒くなるほど吸気が大きくなってエンジンへの負荷やエアクリーナー内への遺物混入率も増えるので、極細目で充分です。
とはいえ、カスタムは車両のオーナーの浪漫です。ご自由になさってくだせぇ!
いずれにしても、単に交換するだけで変化が実感できるのでオススメです!
02.HONDA(純正)
HONDA純正の後期ジャイロX・ジャイロキャノピー用のエアクリーナーエレメントですので、カスタムをせずにノーマルで維持しておられる方にはやっぱり純正品がオススメです。オススメしておいてなんですが、新品を見たことがないのでオイルが添加されているかわかりません。すいません。
03.N.T.B(社外)
ジャイロX/ジャイロキャノピー*1に適合する社外品です。
オイルの添加がされてある上に、ボロボロになるまで繰り返し洗って使えて安いので経済的です。
私がジャイロXを購入した時にはこちらが入っていました(限界ギリギリの状態で)。
ちなみに、揉みこむオイルはエンジン用ならなんでも良いとされていますが、心配な方、あるいはこだわりたい方は、エアクリーナーエレメント専用のオイルがあります。
記事の締め
古い物を大切にして後世に残すのは、これからの歴史にとって価値のある事です。
壊すことは簡単ですが、作ることはままなりません。
パワフルな2サイクルエンジンの三輪車という異端児ならなおさらですよね。
HONDAがいつの日か、ガソリンでもEVでもなく、もっと面白いマシンを作ってくれたらいいなと思います。
しかし、我々ジャイロに乗る者は現存するジャイロX・ジャイロキャノピー・ジャイロアップを少しでも長く乗って行きましょうね。
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*1:購入前に型式を確認してください